
オランダのブルータルデスメタルバンド。
2枚ほど日本盤も出ていたこともあるのだが
あの頃よりも再結成後のこのバンドの
クオリティは確実に上がったのだが
ここ最近は全く日本盤はご無沙汰である。
そんなこんなでブルータルなデスメタルを
やられているこのバンドが
前作でまさかのシンフォニック要素を
(前々作も効果的に取り入れることはあったのだが)
堂々と取り入れたり
メロディアスな部分が増えたような内容で
アレ?っとおもったんだが…。
で、今作。ファーストトラックはお約束的な
インストなのだが、これだけ聴いていると
なんだかどこかのアンビエント音楽のような感じで
まるでデスメタルをやるようなサウンドとは
思えないような内容だが、
それ以降はそういう音楽とは相反するような
ブルータルなサウンドが展開されるのだが…。
あっ、音は前作よりもドライになっている。
前作のようなシンフォニック路線
(とはいってもメロデスになったわけではない)
を踏襲しているわけではなく
#2はスラッシュビートを使いながら
スピーディに疾走し、流麗でメロディアスなギターソロが入り、
ここぞという所でブラスト疾走が入るという
まぁある種この手の王道のナンバーだろう。
ゴアっぽくも感じるVoもなんだか狂ったように吠えるが
曲によってはなんだか弱さも感じる。
しかし、#3になると前作を踏襲しているかのような
シンフォニック路線がちょこちょこと顔をのぞかせる。
ブルータルデスメタル的な音に
クワイアやアコギを絡ませるスタイルは
邪悪性や不気味さをあおる感じで
なかなかいいものなのだが…。
正直今作は曲中にそういうアレンジはあまり見られず
序盤とラストにシンフォニックなアレンジがあるくらい。
しかし曲自体に面白みが今一つ感じられないのは確かで。
これがこの曲だけで終われれば何の問題もなかったのだが…。
それ以降の曲もその今一つ感を
ラストまで引きずるという感じで
要所でのブラスト疾走やらメロディアスなギターソロなど
いつもの彼ららしい王道のブルータルデスメタルが
全編にわたって展開されているハズなのだが
どうも全体的に直線的な部分が強く、
以前のようにスローテンポからのブラスト疾走によって
がらりと展開の変化のような
聴き手を翻弄するようなものでもなく
ダラダラと進行しながらその中で
ブラスト疾走したりするという展開が
ダイナミズムにかけるという感じで
ピンとこないのが確かで
ゾクゾクとしたスリルも感じないし、
このゴア的なVoが曲によっては
上ずった感じでヘロヘロとしている部分もあり
それも今一つさに拍車をかけている。
これならばもっと大胆に曲中に
オーケストレーションやらクワイアやらを
入れてみてもよかったのではないかと?
なんだか期待をして聴いたのに
ある意味聴き手を(悪い意味で)翻弄されたみたいで
残念な結果になってしまった。
01.The Funeral March
02.Deformation Of The Holy Realm
03.Apostles Of The Weak
04.Unbounded Sacrilege
05.Unique Death Experience
06.Scourged By Demons
07.Suffering From Immortal Death
08.Oasis Of Peace [Blood From The Chalice]
09.The Ominous Truth
10.Entering The Underworld
- EINVIGI/Yö Kulje Kanssani (10/01)
- ROYAL HUNT/Dystopia Part II (08/26)
- GACHARIC SPIN/W (08/20)
- LACRIMAS PROFUNDERE/How to Shroud Yourself with Night (12/24)
- IMPERIAL CIRCUS DEAD DECADENCE/殯――死へ耽る想いは戮辱すら喰らい、彼方の生を愛する為に命を讃える――。 (11/23)
- PENCEY SLOE/Neglect (11/20)
- DRAGONLAND/The Power Of The Nightstar (11/19)
- DAWN OF SOLACE/Flames of Perdition (11/17)
- ALESTORM/Seventh Rum Of A Seventh Rum (11/07)
- GLASYA/Attarghan (11/05)