フィンランドの飲めや歌えや的な
陽気で明るめの酔いどれフォークメタル。
そんな音楽性を彼らは
以前まではやられていたのだが
前作はそんな音楽性を否定するかのような
地味でミドルテンポの曲が並び
面白みのないものだった。
そんな彼らも2021年に11枚目のアルバムを
リリースすることになったのだが、
ユニオンの宣伝文句には今作は
いつもの音楽性に戻っているということが
書かれていたのでジャケットと
邦題の"コルピの暗黒事件簿"
というタイトルが気にはなるが
とりあえず聴いてみることにした。
とりあえずファーストトラックは
アコーディオンやヴァイオリンが入り、
時折スラッシュビートを混ぜたアップテンポで
ダミ声に時折コーラスが入るもの。
ただ、勢いが感じられず中盤になると
ミドルテンポで何じゃこりゃ?
という展開が入り地味なパートが入り込むという…。
なんだか今作も前作の内容を受け継いでいる感が強い。
アコーディオンやヴァイオリンが哀愁のフレーズを
弾きまくるのは決して悪くはないのだが…。
#2や#3はコミカルで
ポルカメタルっぽいノリの良さがメインの曲
(というか#3の一部が新譜紹介のサイトに書いてあるような
レゲエっぽく聴こえないのだが…)で
アコーディオンやヴァイオリンが
哀愁たっぷりのメロディを弾きまくるのだが
そのせいもあるのか?
コミカルであるはずの曲なのだが、
どことなく寂しく聴こえなくもない。
で、その後は前作同様に落ち着いた
ミドルテンポ主体の曲が多めに並び、
曲によっては本当に地味でつまらないのもあったりする。
#6なんてメロディアスハードですよ、これ。
何かのカヴァー曲なのだろうかと思ったりもするくらい。
もちろんそういう曲でもアコーディオンやヴァイオリンは登場し、
哀愁のフレーズを弾いたりはするのだが…、
身を乗り出したくなるようなものでもない。
我々がこのバンドに求めているのは
そういうしんみり系のサウンドではなく、
#2や#3、そしてアルバム後半に出てくる
軽快なリズムの#9やカントリーミュージックっぽい
#10のようなものなのである。
それでも今作はまだ曲のヴァリエーションが
多めなこともあり、
前作よりかはまだましな方かとは思うが、
前作が気に入らなかった人は
おそらく今作も前作同様に気に入らないとは思う。
いや、前回も書いたように
すべてのアルバムを聴いているわけでもないので
ひょっとしたら過去のアルバムも
こんな感じなのかもしれないのだが?
とても今作が"いつものコルピ"とは
言い難い内容だとは思う。
01. Verikoira
02. Niemi
03. Leväluhta
04. Mylly
05. Tuuleton
06. Sanaton maa
07. Kiuru
08. Miero
09. Pohja
10. Huolettomat
11. Anolan aukeat
12. Pidot
13. Juuret
- EINVIGI/Yö Kulje Kanssani (10/01)
- ROYAL HUNT/Dystopia Part II (08/26)
- GACHARIC SPIN/W (08/20)
- LACRIMAS PROFUNDERE/How to Shroud Yourself with Night (12/24)
- IMPERIAL CIRCUS DEAD DECADENCE/殯――死へ耽る想いは戮辱すら喰らい、彼方の生を愛する為に命を讃える――。 (11/23)
- PENCEY SLOE/Neglect (11/20)
- DRAGONLAND/The Power Of The Nightstar (11/19)
- DAWN OF SOLACE/Flames of Perdition (11/17)
- ALESTORM/Seventh Rum Of A Seventh Rum (11/07)
- GLASYA/Attarghan (11/05)