アメリカのシンフォニックデス/ブラックメタル
2021年作の1st。
宣伝文句にDIMMU BOGIRの名前が出ていたため
(おそらくオーケストレーションや
派手なシンセを大胆に使うブラックメタルを
想像したのだろう、
個人的にはその手のサウンドは好きなため)、
おそらくそれを参考に購入に踏み切ったものと思われ。
ヘヴィなギターとゴシック的な使い方をするピアノが
特徴の小曲#1からして
このバンドの音楽性が
だいたいどういうのかが分かったわけだが。
なだれ込むようにブラスト爆走で始まる#2も
ブルータルなサウンドながらも
アトモスフェリーなシンセや#1にもあったような
ゴシカルなピアノは健在でこの相性はとてもいい。
そしてピアノ使いだけでなく、
時折入る無表情のクリーンVo
ゴシックメタル的である。意識はしているのだろう。
焦燥感を煽るようなアトモスフェリーなシンセが
時には冷たくも感じたりもするので
一応アメリカのバンドなのだが、
アメリカ産と聞かれないと、北欧産のバンドと
勘違いをしそうな感じである。
ブラックメタル的なパート、要素が強めだが、
どうもこのバンドはブラックメタルという意識は低めのようで?
前半~中盤までは北欧系産のような
耳障りのいいシンフォニックブラックメタルなんだが、
高速スラッシュビートを多用する
9分台の#6を境にシンフォニックブラックメタルから
モダンメロデスに変化している。
いやベースはシンフォニックブラックには変わりはないんだが、
前半のそれを彼らなりに進化させているのだろう?
さらにはアルバム後半になると近代的なシンセが飛び出し、
リズムチェンジを頻繁にして
プログレ的なアプローチまで始めるといった感じで
(個人的ではるが)前半のいい感じのムードが
感じられなくなってしまったのは残念。
シンフォニックかつシアトリカルな雰囲気もある
シンセ使いをはじめ、演奏陣のクオリティも
1stにしてはかなり高いのには驚かされる。
ただアレもやろうこれもやろうとするごった煮感もあり、
途中で嫌になってくるのは確かで
その上なんだか焦り気味(そう感じるだけ?)に
ギターソロを早く弾いているだけ
という感じで印象に残らないのも残念。
出来ればアルバム前半のシンフォニックブラックで
勝負してほしかったのは個人的な感想だが、
そういうわけにもいかなかったのだろうなぁと…。
01.Prediluvian
02.Antiquity
03.The Advent
04.From a Serpent Spoken
05.Iniquity
06.Through Ritual We Manifest
07.Lamentations
08.Feast Upon the Seraph Within
09.Unto Light
10.My Profane Goddess
- LACRIMAS PROFUNDERE/How to Shroud Yourself with Night (12/24)
- IMPERIAL CIRCUS DEAD DECADENCE/殯――死へ耽る想いは戮辱すら喰らい、彼方の生を愛する為に命を讃える――。 (11/23)
- PENCEY SLOE/Neglect (11/20)
- DRAGONLAND/The Power Of The Nightstar (11/19)
- DAWN OF SOLACE/Flames of Perdition (11/17)
- ALESTORM/Seventh Rum Of A Seventh Rum (11/07)
- GLASYA/Attarghan (11/05)
- THE UNCROWNED/Witness (11/02)
- FIRTAN/Marter (10/31)
- DRAGONLANCE/Chaos And Law (10/29)